海外渡航者のための予防接種ガイドライン
【A】留学する高校生・大学生〔小学校入学もこれに準じる〕
- 母子手帳〔必ず持参〕や学校の記録〔小・中学時のツベルクリン結果〕を確認。
- ポリオ〔小児麻痺、OPV(IPV)〕の3回目〔さらに必要なら4回目〕を追加する。
- DPT/DT〔3種・2種混合、DTaP/Tdap/dT〕の4回の記録と10年以内の追加接種が必要。
小学校入学に際しては5回目も必要。 - 麻疹(NT・PA)・風疹(HI)・おたふくかぜ(EIA/G)・水痘(IAHA・EIA/G)の抗体検査で免疫を確認してから、陰性のものを組み合わせて接種。
罹患記録では証明にならない。 - ツベルクリン検査の確認検査は必須。母子手帳の記録は書かない。アメリカで検査されると多くの日本人は結核とされ予防薬内服を指示されるので、必ずアメリカの基準で再検査し、硬結[膨疹]と紅斑を記載する。陰性者はそのまま証明する。
- 陽性者は胸部レントゲン検査で、結核を否定する。
- B型肝炎(HepB)を3回〔時間がなければ2回まで〕接種。[推奨接種]
- 大学生で入寮者は、髄膜炎ワクチンも要求される。
- 英文の予防接種証明書および抗体検査証明書を持って渡航する。
【B】 成人の海外赴任
- 破傷風〔Tetanus〕、またはDT2混〔+Diphtheria〕、DPT3混〔+Pertussis〕
昭和43年以前の生まれは1ヶ月間隔で2回、約1年後に追加接種して10年間有効。
それ以降のDPT/DT世代は、DT2混/DPT3混の少量で1回追加接種。10年間有効。 - A型肝炎〔Hepatitis A,HepA〕
2~4週間隔で2回接種(2年間有効)、6ヵ月(3ヵ月~2年)後に3回目(10年間年有効)。
準備期間がない時はガンマグロブリンで代用(3ヶ月間有効)。ほぼ全世界で必要。 - 日本脳炎〔Japanese encephalitis〕
1~4週間隔で2回追加接種する。追加接種は記録があれば1回でも可。
東・東南・南西アジアでは必要。インドや中国やインドシナ諸国に多い。 - B型肝炎〔Hepatitis B,HepB〕
4週間隔で2回接種。3~6ヵ月後に3回目〔5~10年有効〕。途上国では推奨。 - 狂犬病〔Rabies〕
曝露前は2~4 週間隔で2回接種。6ヶ月後に追加。曝露後は咬傷後1週間以内に3-5回接種開始。未接種では咬傷当日から開始し、5回〔0・3・7・14・30 日〕接種する。
ワクチンが手に入る地域では、事前接種していてもメリットは少ないので不要。 - ポリオ〔Polio,OPV〕
1975~77年生まれは3回目を追加。アフリカ・中近東・南西アジアでは推奨。 - コレラ〔Cholera〕
1週間隔で2回接種し6ヶ月毎に追加する。効果はあまり期待できず通常の赴任者・旅行者には不要。 - 黄熱〔Yellow Fever〕
アフリカ・南米の1部の国で義務付けられている。入国の10日前までに接種。
10年間有効。名古屋検疫所〔052-661-4131〕で木曜日に接種。予約が必要。 - 感染症抗体検査
麻疹・風疹・おたふくかぜ・水痘の抗体検査(検査法はA-4参照)をしておきたい。
☆3~4種類の同時(日)接種を組み合わせ、短期間に要領よく適切に接種する。