小児科・内科 桑原医院

広島市安佐南区の小児科・内科 地域のホームドクター「桑原医院」

こどもの健康と救急

子育て中のお母さんやお父さんが一番困られるのは、子どもが病気になった時です。「病院に連れて行くべきか、様子を見るべきか」と悩まれます。
こうした時案外健康の為の基礎知識をご存知ない事がよくあります。基礎知識があると慌てずにすみます。
そこで、院長が広島文教女子大学で、教授している講義の内容を再整理して、「こどもの健康」を大きなテーマに基礎知識を、「救急編」と「基礎データ編」にわけて、ご紹介いたします。

救急編

救急手当の6原則

救急手当ての6原則です。あわてずに、まず観察し、6つの原則の中から必要な処置をしましょう。
そして、手当てが終わったら必ず医師の診断を受けましょう。

  1. ひどい出血の場合は、直ちに止血する
    出血量…幼児の場合:体重の1/18、成人の場合:1/13以上だと危険です。
  2. 呼吸が十分にできるようにする
    口の中に、ガム・飴・粘液・嘔吐物・果物などがないか確認を必ずしてください。
  3. 安静にする
    枕を外したり、ボタン・バンド・下着などをゆるめる。
  4. 保温する
    全身を温かく、毛布などで包む。
  5. 飲み物は医師の指示を受けてから与える
    やむを得ない時は、くちびるを湿らす程度にしてください。
  6. その事故に応じた正しい手当てをする
    日頃から知識を豊富にしておく事が大切です。

症状の見分け方

どんな症状が現れているか、症状を見分ける時に注意する5つのポイントです。

  1. 症状の現れ方に注意する
    急に、ゆっくり、ときどき、どんな場合かなど症状の現れ方に注意する。
  2. 現れたすべての症状をあわせて総合的に判断する
    軽いのか、重いのか、緊急なのかを総合的に判断する。
  3. 年齢・性別によって症状の現れ方が違うことを知っておく
    小児、老人、女性、男性など年齢・性別によって症状の現れ方が違います。
  4. むやみに早合点して行動しないこと
    中には生理的なものもあります。
  5. 健康時との状態の相違をなるべく早く察知する
    口のきけない乳児や表現が十分できない幼児、意識のない人など。

※あくまでも診断は医師に任せてください。

基礎データ編

こどもの基礎データ(脈拍・呼吸・体温)

日頃からお子さんの脈拍・呼吸・体温の基礎データを知っておく事は、健康な生活を送るための土台です。
表を参考にして、お子さんの基礎データを知りましょう。

【脈拍】回数の多い場合‥‥‥発熱(+15~20/体温1℃)興奮・泣く・食事・入浴

年齢 脈拍数(1分間)
出生時 140~180
1~2日 100~120
2週 120~140
乳児 120~140
幼児 100~110
学童 80~100
成人 70~80
老人 60~70

【呼吸】回数の多い場合‥‥‥発熱・沐浴・食事・泣く・運動・呼吸器疾患

年齢 呼吸数(1分間) 呼吸量(回) 呼吸量(分)
新生児 38±10 13±5ml 480±227ml
乳児 35~23 10~56 490~2580
幼児 22~18 118~227 2321~4710
学童 29~19 121~276 3200~5000
成人(70kg) 15~20 500 6000

【正常体温】高熱=39.0℃以上 / 中熱=38.0℃以上 / 微熱=37.5℃以上 / 平熱=37.0℃前後 / 低熱=36.0℃以上

年齢 体温(℃) 病的体温
新生児 36.7~37.5 38℃以上
乳児 36.8~37.3 37.5℃以上
幼児 36.6~37.3 37.3℃以上
学童 36.5~37.5 37.3℃以上
成人 36.3~37.0 37.0℃以上
老人 35.8~36.5 36.8℃以上

体温の計り方

まず、平熱を知っておく事です。安静時に計る事です。下記の場合の体温は、平熱とは言えません。

  • 食後1時間以内
  • 運動後、飢餓
  • 入浴後、寒冷
  • 精神感動

体温計を当てる場所の汗などを拭き取り、正確な位置で計りましょう。5種類の計り方がありますので、表を参考にしてください。

測り方 対象 備考
頚部温 乳児・新生児 1分間測る
口腔温 幼児・学童・成人 「婦人体温計」などが該当(+0.3℃~05℃)
腋下温 幼児・成人・学童 約10分間測る
直腸温(肛門) 新生児 約3~5分間測る
+0.5℃~1.0℃
外耳道 学童・成人 約3分間、鼓膜に向けて測る
こどもの救急
「こどもの救急」サイトでは、様々な事故や病気の救急手当てなどの情報が掲載してあります。ご参考ください。