第4回 鯛(たい)の煮付け
~大人も子どもも、魚・大好き~「湯通し」の一手間で、おいしい煮魚を
魚料理は好きですか?
スーパーや魚屋さんに並ぶ鮮魚や魚介類は、私たちの食生活になくてはならないものです。 近頃、さかなのアブラが健康面からも血栓症を防ぐとして、世界の肉食圏でも多く食べられるようになったといわれます。 小中学生の給食メニューで「嫌いな料理の第一位は魚料理」という調査結果もあります。
あなたは魚料理が好きですか? 赤ちゃんから大人まで、毎日食べる魚が大好き!といえるよう、また魚嫌いが好きになったと喜ばれるよう、「煮魚(鯛の煮付け)」を作ってみましょう。 鯛は、1年を通じておいしく種類も多いですが、代表的なものは瀬戸内海を本場にしている「まだい」です。 魚は、新鮮なものを選ぶのはもちろんですが、下ごしらえも大切です。
材料

◆鯛(たい)の煮付け 材料(2食分)◆
鯛の骨付き切身……………… 2切れ(正味160g)
そうめん(干)………………… 半把(25g)
オクラ………………………… 2本(14g)
青ユズ………………………… 少々
日本酒………………………… カップ1杯(200g)
みりん………………………… 大さじ2杯(30ml)
トレハロース…………………… 小さじ1杯(3g)
濃口醤油……………………… 大さじ2杯(30ml)
準備
- 鯛の骨付きの切り身の皮面に、飾り包丁を入れます(ここまでは魚屋さんでもしてくれます。1尾を2枚に卸したものを煮付けにし、頭は兜煮や骨蒸し、上身は刺身にと使い切り、捨てるところがありません。又煮汁で野菜を煮ると旨味が付きます)。
- 鍋に湯を煮立てた中に、(1)を1切れずつくぐらせて氷水に放ち、指先で、残ったウロコやヌメリを取ってザルに上げます(湯通しといいます)。
作り方
- 付け合わせのそうめんをゆでておきます。 鍋にたっぷりの湯を煮立て、そうめんをさばきながら入れ、吹きこぼれない程度に火を調節します。1分半ゆでて、素早くザルに移し、水を替えながら完全に冷めてから、もみ洗いしてヌメリを取り、ザルに小分けしながら上げて水気を切って冷やしておきます 。
- オクラは、がくの固い部分を桂むきの要領でひとむきし、熱湯に塩少々入れた中でさっとゆでて冷水をくぐらせ、ザルに上げておきます。
- 大きめの鍋(中華なべが使いやすい)底の平らな鍋に日本酒を入れて、煮切ります(アルコール分を逃がして旨味を残すため)。
- (3)にみりん、トレハロース(なければ入れなくてもよい。マッシュルーム糖ともよばれ、魚の鮮度保持やたんぱく質の変性を抑える天然の糖)、濃口醤油、を加えて煮立てます。
- (4)に「湯通し」した鯛の皮面を上にして、並べて入れます(煮汁が、魚を入れて半分ほど浸る程度の鍋がよい)。2~3度鍋を傾けて玉杓子で煮汁を掛け、味を含ませながら、ぬらした落としぶたをして、中火で10分くらい煮ます(長く煮すぎると身が固くなります)
- (5)の煮上がり前に、(2)のオクラを加えて一煮立ちさせ、火を止めます。
- (6)を、形を崩さないように皿に盛り付け(竹の皮を敷いて煮ると身くずれしないで皿に移せます)、煮汁を少し掛けます。 そうめんを手前に添えた上に、青ユズの皮を卸してササラ(ツマヨウジを数本束ねたものでもよい)で振り掛けます。オクラは、写真のように先の方に切り目を入れて添えます。
ポイント
- 「湯通し」のひと手間を惜しまない。
- 新鮮な魚を選ぶ。
応用
- 鯛の代わりに一尾付けの「イサキ」なども同じ要領で煮付け、ナスを素揚げして煮汁をさっとくぐらせたものをあしらうと、夏の一品になります。
- 調味は、鮮度がよければ、みりんを減らし、魚そのものの甘さを引き出します。
- 子どもには、出汁を加えて薄味にします。
- 魚の骨は、幼児の前で、ゆっくりと身をむしって見せながら、食べ方を覚えるとよいでしょう。
- 青みは、季節のものをあしらいます。
メモ
日本の食生活は、「ごはんと魚」が基本パターンの一つです。
魚は、タンパク質の他、カルシウム、ビタミン類などを豊富に含み、健康を維持する上で優れた食品です。「湯通しのひと手間」も煮魚をおいしくするワザとして、つないでいきましょう。
文責/桑原医院 管理栄養士 鎌田澄江(かまだすみえ)