小児科・内科 桑原医院

広島市安佐南区の小児科・内科 地域のホームドクター「桑原医院」

管理栄養士のレシピ集

第18回熱中症予防と水分補給

 昼間はまだ暑さの続いていますね。今回は熱中症についてのお話です。とくに小児は体温調節機能が未熟なため熱中症にかかりやすくなります。熱中症の予防には水分補給と暑さを避けることが大切です。 

熱中症予防

  1. ① 室温はできるだけ28℃を超えないようにエアコンや扇風機を上手に使いましょう。
  2. ② 外出の際は帽子をかぶり風通しのよい服装で熱のこもりにくい明るい色(白や黄色など)を着せて、日よけ対策も。
  3. ③ お子さんの様子を十分に観察しましょう。
    (めまい・立ちくらみ・こむら返り・大量の汗・頭痛・吐き気・体がだるい・体に力が入らない・集中力や判断力の低下・意識がもうろうとしてきたり・けいれん・運動障害などないか?)
  4. ④ 遊びの最中はこまめに水分補給や休憩を。
  5. ⑤ 日頃から栄養バランスのとれた食事や運動、遊びを通して暑さに負けない体作り を実践しましょう。

上手な水分補給

 1日に必要な水分量 
乳児 150ml/kg
幼児 100ml/kg
学童 80ml/kg
成人 50ml/kg

 体に占める水分の割合が多い小児にとって水分補給は重要な問題です。目安として、体重1kgあたり100mlの水分が必要といわれています(大人の2倍)。大人と比べて食事から補える水分の量が少ないので、ある程度意識してこまめに多めに飲むことが大切です。


① いつ飲むのがいい?

 何かをする前にコップ一杯の水分を摂るようにすること。特に外出後や遊んだ後はしっかり水分をとってください。寝起き、食事、外出前後、午前10時と3時のおやつのとき、入浴前後、就寝前などこまめにとりましょう。ただし一度にがぶがぶと飲まないこと。そうすると胃液を薄めてしまい消化不良をおこすことがあります。


② どんなものを飲むのがいいか?

 暑いときはついつい冷たい飲み物に手が出ます。特に甘くて冷たい飲み物、清涼飲料水。清涼飲料水にはびっくりするほどの糖分が含まれています。清涼飲料水を飲みすぎると糖分をエネルギーに変えるためにただでさえ不足しがちなビタミンB1が使われてしまいます。飲みすぎは小児の虫歯やカルシウム欠乏、肥満や糖尿病の引き金になってしまいます。基本的には水かお茶。スポーツなどで沢山汗をかいたときはコップ一杯の水に塩を小さじ1/10杯いれたもの(塩分0.1%〜0.2%)、OS−ワン、スポーツドリンクなどを補給してください。

水分補給のポイント
  • ・ 水分は喉の渇きを感じる前に摂りましょう。
  • ・ 外出や運動、就寝前にコップ一杯。
  • ・ 糖分は控えめに。
  • ・ こまめに多めにとりましょう。

文責/桑原医院 管理栄養士 坂井エリサ(さかいえりさ)