小児科・内科 桑原医院

広島市安佐南区の小児科・内科 地域のホームドクター「桑原医院」

管理栄養士のレシピ集

第35回 コレステロール、中性脂肪を気にしている方の食事などの注意点

 コレステロールをはじめ、血中脂質の高低は遺伝や加齢(閉経後の女性)そして生活習慣によるものが多いです。また、服薬する方でも、薬に頼るだけでなく、食事や日常のひと工夫で血液性状はよくなります。

脂質異常の原因

①食べ過ぎ、飲み過ぎが脂質異常の元凶
②病気:糖尿病・甲状腺機能低下症・ネフローゼ
③運動不足
⑤激務、夜勤・・環境のなどのストレス問題も関係
➅夜遅い食事
⑦タバコ
 生活習慣のなかでも、とりわけコレステロール値に影響を及ぼすのが食生活です。コレステロールの原料は食べ物のなかの脂質・糖質・タンパク質。これらを多く含む食事をたくさん食べた時にコレステロールは作られやすくなります。したがって、コレステロール、脂質を多く含む食品に限らず、食べ過ぎれば、コレステロールが増えやすくなります。

 

食事量と内容を見直して数値を改善!

①食事はバランスよく量は適量に
 食べる量と内容を改善しやすいのが、量と内容を把握しやすい定食方式です。定食方式とは、和食のように主食・汁物・主菜・副菜と器をわけて盛られた形です。
②とりたい食べ物、避けたい食べ物
 コレステロール値の改善につながる食べ物と、悪化につながる食べ物を把握しておくと、食材選びや外食時のメニュー選びに便利です。ただし、絶対的なものではありません。たとえば、卵はコレステロールを多く含みますが栄養バランスのよい食材です。

とりたい食べ物

①水溶性食物繊維をしっかりと:コレステロール再吸収を邪魔し排泄をアップ
納豆、モロヘイヤ、オクラ、わかめ、きのこ、山芋、果物などよく噛んで食べる。
②真の悪玉を増やさない食事
LDL(悪玉)コレステロールが動脈硬化を起こすのは、活性酸素によって酸化LDLになり悪さ
をするときです。LDLコレステロールに悪さをさせないために、活性酸素を消す抗酸化物質(ビタミ
ンA・ビタミンC・ビタミンE、ポリフェノール)をしっかりとる必要があります。
*緑黄色野菜
③青魚を週に3回以上とるように
サンマ・アジ・ブリ・イワシなど
④大豆や大豆製品は毎食1品取り入れる
大豆に含まれるたんぱく質と食物繊維にはコレステロール低下作用があるだけでなく、納豆は納豆キナーゼが血栓をとかし、血液をサラサラにしてくれます。

 

×避けたい食品

  • ① スナック菓子、クッキー類、インスタント食品、ファストフード、ケーキ類、お菓子類など、バター、ラード、肉の脂身、マーガリン、ショートニング、古い油(何度も料理に使ったもの・開封して時間のたったもの・賞味期限の切れたもの)

 

◎LDLを減らす・中性脂肪減らす・HDL増やす油

リノール酸 EPA・DHA αリノレン酸   オレイン酸:主に植物油
ごま油
大豆油
ひまわり油

青魚の脂

 

亜麻仁油
シソ油

菜種油
ピーナッツオイル
オリーブオイル

 

②酒
酒の種類に問わず、飲み過ぎは確実に中性脂肪を増やします。肝臓で増えすぎた中性脂肪は処理しきれず、肝臓内に蓄積され、脂肪肝になってしまうこともあります。

 

生活改善も忘れずに!

①運動
 運動不足などで、エネルギー消費量が少ないと中性脂肪が増えてしまいます。中性脂肪はLDLコレステロールに変化するので結果的にLDLコレステロールが増加します。歩く、自転車こぎ程度の負荷の運動を1日30分以上、週2~3回行うとよいでしょう。
②タバコ
 タバコは中性脂肪を増やす、コレステロールを血管に沈着しやすくするという作用があり、動脈硬化を促進させます。更に副流煙は家族や周りの人の健康にも影響を与えてしまいます。禁煙外来など利用して禁煙をしましょう。
③ストレスケア
 不規則な生活、ストレスが多い生活を強いられる環境では脂質異常が悪化します。睡眠時間6.5~7.5時間がベストで睡眠にトラブル(寝つきが悪い・途中で目が覚めて眠れない・朝早く目が覚めてしまう・ぐっすり寝た気がしないなど)があっても悪化します。夜勤など変えることが難しいときは眠りの質を高めるような工夫をしましょう。
④食事時間
 夕食に適した時間は、就寝2時間前頃に済ませることが理想的です。仕事で帰宅が遅い方は、夕方何か食べて、帰宅後は消化のよい低脂肪メニューにするという〝分食″が理想です。

 

文責/桑原医院 管理栄養士 坂井エリサ(さかいえりさ)