第28回 肥満改善
いくらカロリー制限をしても生活習慣を改善しない限り、痩せにくかったり、リバウンドしやすかったりします。
健康的に効率的に痩せるため、食事内容と量を気をつけ、運動するとともに生活習慣も変えて肥満改善に役立つホルモンの分泌をよくしましょう。
①早起きして、朝の光を浴びる
朝の光は痩せやすくするのに大切な働きをする二つのホルモンの分泌を盛んにします。
①セロトニン:幸せホルモン 気持ちを明るく穏やかにしたり前向きにしたりして、ストレス食いを抑制することに
つながります。
②メラトニン:睡眠ホルモン 最強のアンチエイジング剤で、肥満抑制します。
②食事時間は3食規則的に
朝食抜きは肥満、老化を加速させる
決まった時間にとる朝食の刺激で胃や腸、肝臓などの消化器や様々な体の仕組みが正常にはたらきだします。
朝食を抜くと、体内時計はリセットされずに脳の主時計とリズムを合わせることができません。頭と体の時計がバラバラに動くために体のリズムが崩れて不調の原因になります。
さらに、基礎代謝も低下し、血糖値も上がりやすくなります。
③食事は野菜から食べる
糖質の多いご飯や、パンなどの食事は食後に血糖を急上昇させます。血糖値が急激に上がると、膵臓から「肥満ホルモン」の異名を持つ「インスリン」が大量に分泌されます。
インスリンは血液中にあふれている糖を細胞内に取り込んで、体脂肪に変える性質があるのです。そこで、先に野菜を胃にいれておくと、体が必要とする以上の糖は野菜の食物繊維に吸着され、排泄されます。野菜は糖吸収を適度におさえてくれるのです。
④「腹八分」の量は手のひらサイズが目安
1食の量は、ご飯茶わんに軽く1膳(食べても少な目の2膳以内)+肉・魚は80~100g(小型の魚1尾程度)+副菜(野菜:加熱したものなら握りこぶし大、生野菜サラダなら両手盛り程度)くらいにとどめます。
*肝臓の疲れをとる
内臓脂肪を付けないためには、肝臓の機能を高めることも肝心です。肝臓の機能が低下すると、栄養分が十分に分解できず、それがエネルギーとして使えず脂肪としてため込まれてしまいます。油もの、甘いもの、飲酒もしない日を週に1日は必ず作り、肝臓を休ませましょう。
⑤有酸素運動と筋肉運動を組み合わせる
脂肪を効率よく燃やすのが、ウォーキングやアクアサイズ、軽めのジョギングやエアロバイクなどの有酸素運動です。まず、10分程度のウォーキングを1日数回繰り返す方法でも同じ効果はあります。
体脂肪が燃焼しやすい体、何もしなくてもエネルギーを消費してくれる体は基礎代謝の高い体です。筋肉の量が多いと基礎代謝量も高いのです。筋肉量は加齢に伴い減少します。特に一番大きい太ももの筋肉は一般に40代は20代の1割ほど減少します。筋肉は鍛えれば現状維持どころか増やすこともできます。そのためには、いわゆる筋肉トレーニングが有効です。軽い腹筋や背筋、スクワットなどをしたり、ダンベルを使った運動など取り入れましょう。
➅夕食は夜8時までに
飲食直後の就寝が習慣になれば、寝ている間に体脂肪が溜めこまれ、体は脂肪系へとすすんでいきます。
夕食後すぐに寝ると血糖値が上がったままの状態になります。睡眠中、成長ホルモンの働きで、体脂肪が分解されたり、筋肉が作られたり日中にダメージを受けた細胞が修復、再生されたりします。しかし、成長ホルモンには血糖値が上がっていると分泌が抑えられるという性質があります。→成長ホルモンの「ダイエット効果」の恩恵にあずかれないことになります。
*睡眠は食欲コントロールに大きくかかわっています。
睡眠不足になると→食欲を抑えるレプチンの分泌低下→食べ過ぎになりやすい
レプチンによる体脂肪の蓄積を抑える働き→低下します
旬の食材レシピ:えのき豚
秋が旬のきのこ。その中で、えのきは過去にダイエット効果があるという報道があり、一躍ブームにもなったことが、記憶にあるのではないでしょうか。えのきの効能として、「エノキタール酸」がアドレナリンと 同じように脂肪を燃やす効果があったり、食物繊維は脂肪の吸収も抑えてくれます。
嬉しい効能がある上に今は旬でお買い得。こんなえのきを使った料理を紹介します。
食 材 | 分量(1人前) | 作り方 |
---|---|---|
えのき | 75g | ①えのきは根元を落としてほぐす。 |
豚肩ロース | 40g | ②豚は一口大に切ります。 |
酒 | 7.5cc | ③フライパンにえのきだけを入れ、豚1枚ずつ広げてのせ、酒をふり、ふたをして強火で蒸す。 |
大根おろし | 50g | ④肉の表面の色が変わったら、ふたをとり水分がある程度なくまるまで、加熱を続ける。 |
ポン酢 | 適量 | ⑤器に盛り、水気を切った大根おろしをのせ、ポン酢しょうゆをかける。一味唐辛子とゆずの皮を好みでふる |
一味唐辛子 | 適量 | |
柚の皮 | 適量 |
(引用レシピ:今日の料理 小林まさみ)
文責/桑原医院 管理栄養士 坂井エリサ(さかいえりさ)