第26回 食中毒予防
キャンピロバクター、病原性大腸菌などの細菌や、ノロウィルスやロタウィルスなどのウィルスは目に見えないため、どこにいるかわかりませんが、私たちの周りのいたるところに存在している可能性があり、肉や魚などの食材には病原菌が付いているものと考えましょう。
また、病原菌のついた手を洗わずに食材や食器など触ると手を介してそれらにも病原菌が付いてしてしまいますので特に注意が必要です。
きれいにしているキッチンでも病原菌が全くいないとは限りません。食器用スポンジや布巾、シンク、まな板、包丁などは、病原菌が付いたり増殖したりしやすい場所といわれています。
食中毒予防の3原則
食中毒の原因となる病原菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」その基本的な方法は次の通りです。
- 「つけない」:しっかり手洗い、調理器具の洗浄・殺菌・分別
- 「増やさない」:食材の低温保存、早めに食べる
- 「やっつける」:加熱調理、台所殺菌剤による殺菌
病原菌の付着を防ぐ正しい手の洗い方
手に付着した病原菌は、水で洗うだけでは取り除けません。指の間や爪の中まで、せっけんを使って正しい方法で手を洗いましょう。
食中毒を防ぐ6つのポイント
家庭での食中毒予防は、食品を購入してから調理して食べるまでの過程で、いかに病原菌を「つけない」「増やさない」 「やっつける」を実践していくかにあります。ここでは、「買い物」「家庭での保存」「下準備」「調理」「食事」「残った食品」の6つのポイントで、具体的な方法を紹介していきます
買い物
賞味期限に注意して、新鮮な物を購入しましょう。また、買い物が終わったら、寄り道しないで直ぐに帰りましょう。
家庭での保存
冷蔵庫に入れたからといって、大丈夫と過信しないようにしましょう。病原菌によっては、冷蔵庫の中で増えるものもあります。
下準備
生食で食べる食材と加熱しなければいけない食材は、しっかり分けて調理しましょう。調理器具や布巾の殺菌も忘れずに。
調理
調理の前に手を洗うようにし肉や魚は十分に加熱しましょう。中心部を75℃で1分間以上が目安です。
食事
食べる前に石けんでの手洗いをしっかりしましょう。清潔な食器を使い、作った料理は、長時間室温に放置しないようにしましょう。
残った食品
翌日も食べるなら冷蔵庫に保管し、温度管理をしっかりしましょう。生食の料理や賞味期限を過ぎた食品は、もったいないですが思い切って捨てましょう。
以上の方法を守れば、食中毒は予防できます。それでも、もし、お腹が痛くなったり、気持ち悪くなったりしたらかかりつけのお医者さんに相談しましょう。
文責/桑原医院 管理栄養士 坂井エリサ(さかいえりさ)