第22回 食が細い、食欲不振
お子さんの食の細さを心配される親御さんは少なくありません。少量でも栄養価の高いメニューを心がけるとともに子どもが食べやすく料理を工夫するなど食事の内容も見直してみましょう。毎月体重を測って、増えていれば心配いりません。
小食でもバランスが良ければOK!
子どもの食べる量には個人差があります。食が細く食事量が少ないといっても好き嫌いがなく栄養バランスが良い食事が取れているのであればさほど心配はいりません。食が細いことに加えて風邪をひきやすい、顔色が悪い、下痢や腹痛をおこしやすいなどの症状が出ていたら医師の診察が必要です。
食欲の出ない原因はいろいろで、発熱などの体調不良のほかに、身体的要因と精神的要因が関係してきます。
身体的要因 | 精神的要因 |
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健康の問題:口内炎、歯や喉の痛みなど おやつの食べすぎ 運動不足 生活リズムの乱れ:睡眠不足、不規則な食事時間 |
悩み・ストレス:食事の時間が楽しくないなど 食事の無理強いによるストレスと食環境の悪化 孤食・個食・遊び食い |
食欲不振の対策
- ①身体的な異常がなければ食事そのものが楽しく食べられる環境を作ってあげること。一緒につくって楽しむのもよいでしょう。
- ②子どもが食べたくないときに、無理強いすると食事を嫌がるようになります。遊び食いなど始めた場合は「ごちそうさま」をして次の食事またはおやつのときまで、食べ物をあげないようにしましょう。
- ③おやつの量とあげる時間を気をつけましょう。食事と食事の中間にほどほどあげましょう。
- ④牛乳・ヨーグルトのあげすぎにも注意しましょう。1日200から300ミリリットル程度、多くても400ミリリットルくらいまでにしましょう。
- ⑤なるべく戸外で元気に遊ばせると運動量が多くなり、おなかがすきます。
- ⑥食事中はテレビを見ないようにしたほうがいいでしょう。食事に集中できなくなってしまう可能性があります。おもちゃも同様です。その代わり、お母さんとお父さんと楽しい話をしましょう。
- ⑦適度な硬さの食べ物と食事を楽しくするために盛り付けなど工夫して子どもの目を引く食事にしてみるのもいいですね。
とりたい栄養素と食材
- ★ 食欲を増進する食材
大葉、しょうが、にんにくなどには食欲増進効果があります。料理におろししょうがや大葉を加えたりするのも食欲アップします。また、梅干しなどに含まれるクエン酸は疲れすぎて食欲が落ちているときにも効果があります。 - ★ 栄養価が高い食材
山芋や玄米、牛乳は栄養価が高く、胃腸の働きを活発にするビタミンB群が豊富です。バナナは脳や体のエネルギーとなる糖質が多いので食欲のないときの朝食やおやつにも便利です。 - ★ たんぱく質
牛乳、卵、肉類や魚介、大豆製品などに含まれ、細胞の材料やエネルギーとなり体力を増進させます。あぶらの多い肉は胃腸の負担になりやすいので肉類は赤身や鶏ささ身肉がおすすめです。楽しい形やいろどりなども考えましょう。 - ★ 苦手な食べ物の工夫
苦手な食べ物は無理やり食べさせずに調理法を変えてみましょう。ミキサーにかける、すりおろす、卵やのりでくるむ、野菜やイモ類はハンバーグなどに刻んで入れる、カレー味やケチャップ味にするなどの工夫を。そして食べられたらほめてあげましょう。 - ★ 食べられる量に調整する。
ごはんは小さめのおにぎりに、パンは一口大にすると食べやすいです。 - ★ スープやとろみのある料理で食べやすく
水分の多いスープ類は食欲の無いときにも食べやすいもの。良質のたんぱく質と野菜を組み合わせた栄養たっぷりのスープなら立派な主菜にもなります。
とろみのある料理はのどごしがよく、おなかにやさしいメニューです。めんなどはのどごしがよく食べやすいので活用するとよいでしょう。
食欲の無いときの間食には栄養価が高くて食べやすいアイスクリームやゼリー、プリン、ヨーグルトがおすすめです。