小児科・内科 桑原医院

広島市安佐南区の小児科・内科 地域のホームドクター「桑原医院」

管理栄養士のレシピ集

第41回 秋:食欲と肥満

 秋になると、おいしい食べ物がたくさん出てくることもあり、つ いつい食べ過ぎ、気が付くと体重が増えている…。「夏バテ」の反動で、「秋太り」なんてことにならないよう、しっかり食欲をコントロ ールしましょう。

 

なぜ、秋は食欲が増加しやすいのか?

①夏バテが回復してくるため
 秋になると、暑さで弱っていた体が回復し、消化器官も正常の働きを取り戻すので、食欲が戻ってきます。
②日照時間が短くなるため
 秋は日照時間が短くなるため、精神安定・食欲にも関与する神経伝達物質のセロトニン分泌量が低下してしまいます。 すると、セロトニン生産量を増加させるために、食材からセロトニン材料を沢山摂り入れようと食欲を増加させます。
③気温の低下でエネルギー必要量も増加
 体温を一定に保つため、基礎代謝をあげようとします。すると、その分、エネルギー補給が必要になるため、食欲増加傾向になります
④秋は食べ物が栄養を蓄えおいしいから
 秋になると、自然の食材も栄養分をたくさん蓄えるので人間にとっても美味しいと感じられる時期になっているからです

 

対策

① 食べ順を気に掛ける
 旬の野菜で、食物繊維がたっぷりのキノコや野菜から食べて、たっぷり水を飲んで、お腹を膨らませておきましょう。旬の野菜で、食物繊維がたっぷりのキノコや野菜から食べて、たっぷり水を飲んで、お腹を膨らませておきましょう。
② 食欲に関係するホルモンや神経伝達物質のバランスを整える
 私たちの食欲や行動は様々なホルモンや神経伝達物質の相互作用にも影響をうけています。「食欲を抑える」ように働くホルモンや神経伝達物の材料を摂り入れたり 、それらの分泌を促進する生活行動を試してみましょう。
①食欲抑制に関係する神経伝達物質の材料を摂り入れる
 其の1:アミノ酸の一種のヒスチジン
 ヒスチジンは、本マグロ・カツオ・ブリ・サバ・サンマといった青魚に多く、これからの季節に多く出回ってくるので積極的に取り入れたいものです。
 また、よく噛んで食べるほど、味が出てきておいしく味わうことができる上、食欲を抑制するヒスタミンという物質が脳内に分泌されやすくなりますので、食事は少量で満足しやすくなります。
 其の2:アミノ酸の一種のトリプトファン、ビタミンB6
 セロトニン不足を補うためには、トリプトファン、ビタミンB6を多く含む食品を摂る必要があります。
*バナナ・肉・魚・大豆製品などにはトリプトファンと共にビタミンB6も含まれています。
*トリプトファンは、タンパク質を合成するアミノ酸です。タンパク質がしっかりとれる肉・魚・大豆製品をしっかりたべましょう。
*セロトニンは、食欲調節に大切な働きをします。その他、精神安定・脳内の興奮と抑制を調節する働きもあります。

 

②睡眠をたっぷりとる
 睡眠不足だと食欲抑制ホルモン低下⇒食欲増加ホルモン増加⇒脳の前頭葉機能が低下⇒欲望に対する抑制機能低下⇒甘いものが無性に食べたくなる⇒糖代謝機能約30%低下と、いったような悪影響が出るので、睡眠はなるべくたっぷりとりましょう。

 

③適度に外で、運動
 日の光を浴びることはセロトニン分泌に深く関与しています。秋は運動しやすい時期です。外を散歩することから始めてみましょう、
 

文責/桑原医院 管理栄養士 坂井エリサ(さかいえりさ)