小児科・内科 桑原医院

広島市安佐南区の小児科・内科 地域のホームドクター「桑原医院」

管理栄養士のレシピ集

第31回夏のエアコン使い方、夏風邪に注意しましょう。

 夏のエアコンの出番が増えると、のどの痛みや咳などを訴え、体調を崩す人が目立ちます。毎年猛暑続きで、エアコン使用量が増える中、一晩中つけっぱなしで、喉が乾燥したり、室内を冷やし過ぎて、外との温度差が大きくなったりすることが原因のこともあります。

⑴夏風邪とエアコン

 夏風邪の特徴は、高温多湿を好むウィルスが夏バテなどで免疫力が弱った体の中で、活動的になるため回復に時間がかかります。この場合、特効薬などなく対処療法として、鼻水や咳を止める薬しかありません。そのため、結局は自分の体が頑張って原因ウィルスを退治するしかないので体力と免疫力を回復させるよう、睡眠や栄養をしっかり摂ることが大切になります。
冷房病 衣服で調整 夏風邪を予防するには、エアコンの使い方に注意することも必要です。熱中症にかからないように、水分補給をすること、エアコンを上手に使って、室内温度を管理することは大切ですが、使い方次第では体に負担をかけてしまいます。
 エアコンが効き過ぎて空気が乾いた室内では、鼻、喉などの粘膜が乾燥しやすくなります。粘膜は細菌やウィルスをくっつきにくくする役割がありますが、喉がカラカラに乾いた状態だと、細菌やウィルスが付着しやすく、炎症を起こし、腫れや痛みの原因となりますので、こまめにうがいをしましょう。
 室内外の急激な温度差にも注意が必要です。温度差が大きいと体の様々な機能を調節する自律神経の働きが乱れ、体温調節や新陳代謝が上手に働かなくなり、免疫力の低下につながります。


⑵「寒さ」に個人差

 予防策は「冷やし過ぎないことと、直接あたらないこと」です。お店や映画館など、自分で温度調節ができない場所に行く場合は、上着や羽織物など用意しておくと安心です。
 冬の風邪と共通しますが、ウィルスの感染を防ぐには手洗い、うがいをこまめにすること。また、夜更かしを慎み、睡眠不足を避ける、冷たい飲み物をマスク・手洗い とりすぎないこと(胃腸が冷やされ、免疫力が低下して、風邪のウィルスが腸内で増えやすい環境になる)など、普段から体をいたわっておくことは大 切です。たとえウィルスが体内に入っても早く体調が回復しやすくなります。


★夜のエアコンここが不安★

冷房病 寝るとき身体を冷やさない  体が冷えすぎて体調を崩したり、空気が乾燥しすぎて喉を痛めたりします。 必要以上に体温が下がると寝ている状態なので、体温をあげようと体が活動し、結果的に体の休息になりません。
 そこで、対策として


①タイマーでエアコン使いたい人
タイマーは眠り初めの2~3時間で切れるようにし、設定温度は26~28℃にしましょう。
②一晩中エアコンを使いたい人
湿度調節運転か、温度高め(28℃)に設定しておきましょう。
③睡眠中にエアコンを使いたくない人
寝る前に部屋を冷やします(26℃くらい)。寝るときにエアコンを切り、後は扇風機を微風にし、壁に風を当てて直接風にあたらないようにします。

★エアコンとの付き合い方★

 冷房病や冷え性は、エアコンの付き合い方も含めて、服装や食事、運動など、毎日の生活習慣と深いかかわりがあります。予防や対策のために、まず自分の生活を見直してみましょう。


①エアコン設定温度は26~28℃を目安にし、寒さを感じないレベルにする。
②エアコンの効いた部屋と外気との温度差は5℃が理想。
*しかし、外気温が35℃を超すとても暑い日があります。そんなときは、推奨されている温度28℃を目安にしましょう。
③エアコンの風は直接当たらないようにする。
④腹巻や厚手の靴下など、服装で自衛する。
⑤エアコンの効いた場所では温かい食べ物・飲み物を。
冷房病 軽い運動を心がける
➅適度に体を動かし、血流の改善を。
(長時間座っているときは、一時間に一度くらいは席を立ち、少し歩いた り、軽い屈伸運動をして、足先の血流の流れを改善しましょう。席を立てない場合は、つま先か、かかとを上げ下げするだけでもポンプのような働きで血流がよくなります。日頃から良く歩くことも大切です。
 ウォーキングをしていと、足の筋肉が適度に強化されて血流がよくなるので、足先が冷えにくくなります)
お風呂・バスタイム・入浴
⑦シャワーより入浴(低めの温度で)
⑧ストレスを溜めないようにする。
(ストレスがたまると自律神経の働きが低下して、冷房病や冷え性を起こしやすくなります)

★子どもに快適なエアコン設定温度にも気にかけて★

 成長中の子どもの体は体温調節機能も未熟なため、大人よりも冷えやすいです。
 また、エアコンの効いた部屋では暖かい空気が上に集まり、冷たい空気が下に溜まるので、大人の高さでは丁度良い温度でも、子どもの高さの生活圏では温度が低くなりすぎるため、子どもが風邪をひいてしまうことがあります。子どもと一緒に過ごすときは、このことも気にかけて、子どもの高さのところに温度計をおき、そこが28℃になるような温度設定にしましょう。


文責/桑原医院 管理栄養士 坂井エリサ(さかいえりさ)