小児科・内科 桑原医院

広島市安佐南区の小児科・内科 地域のホームドクター「桑原医院」

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8.20広島八木災害報告(第172報)

2020.08.20
8.20広島八木災害報告(第172報)

 平成26(2014)年8月20日、当地区に起きた大災害のことを忘れることが出来ません。

 当日の前夜から想像を絶する大量の雨が滝のごとく降っていました。あとで聞きますと、大雨前線がこの地に停滞していたという話です。当地区の地層は花崗岩で、上層部は砂と石ころでできています。保水力が全くありません。山に溜まった水は杉や雑木、竹をそのまま巻き込んで住宅地に流れ込んできました。

 8月20日、午前3時過ぎでした。真っ暗闇の中での被害でしたので、一歩も屋外に出ることが出来ません。夜が明けて窓の外を見ると、泥水と近所の建物の切れ端が窓に突っ込んできている、自宅の床上に水が入っているなど、想像を絶するような光景でした。まず、家族7人の安否を確認して、愛犬が生きていることも確認して、その後の対策を考えていました。

 その後6年経って、やっと私の住居も元に戻りました。しかし、周りの土地は庭木や野菜を含めて全く栄養分が流れてしまって育たなくなりました。それも、皆さんの努力で少しずつ回復しています。

 今年は畑になすび、きゅうり、トマト、とうがんも収穫できました。その日から6年経った今日、最も被害の大きかった八木3丁目で、当時亡くなった77人の方々の慰霊祭が行われます。私の住んでいる部落でも小さな慰霊碑を作りましたが12人の御霊が入っておられます。

 一方、土砂災害の予防対策は見た目では進んでいるように思われますが、昨日の新聞報道などでは、かなり遅れがあって不安な毎日です。

 最近の新型コロナの流行や広島・岡山・熊本・関東での水害など、なんだか気候のリズムがくるってきたような感じがあります。

 私達は、多くの知恵を集めてこれらの災害の予防に努力していかなければなりません。
 当地区の77名の御霊のご冥福をお祈りいたします。
 合掌

2020.08.20.11時
桑原医院 桑原正彦


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