小児科・内科 桑原医院

広島市安佐南区の小児科・内科 地域のホームドクター「桑原医院」

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8.20広島八木災害報告(第80報)

2016.12.08
8.20広島八木災害報告(第80報)

 秋が深まり、時々夜は厳しい寒さがあります。被災者には、これから厳しい冬となっていくでしょう。
 平成28年11月19日付の「中国新聞」には次のような記事が載っておりました。
〝2014年8月の広島土砂災害で11歳と2歳の息子二人を亡くした家族が約2年2カ月ぶりに被災した自宅に戻った。さらに今夏から長女が生まれて一時三人家族に減った一家は、4人家族になり、深い悲しみを抱きながらも我が子の思い出が残る家で新たな一歩を踏み出した。″という明るい記事です。砂防ダムの完成によって二次災害の危険性はかなり軽減をしました。しかし、行政の防災計画の半分も実現されていない現実で、まだ被災地に戻ってくる家族は極めてまれです。
 更に私の日常診療の中で感じることは、被災地に残った人たちの中で既に2年半以上たった、あの惨事の恐怖を回想して、心や体の障害を起こしている人たちがいらっしゃいます。例えば、30歳の男性の被災者は「不安狭心症」にかかりました。また、他の例では、〝強い耳鳴と軽いうつ病″を訴えている35歳の男性もいます。また、子ども達にも、高校生で不登校を起こしている男子、体調不良を起こして学校に行きにくい中学生の女子も診療に来ます。東北大震災ほどの大災害ではないのですが、広島の土砂災害は、被災者にとっては、生涯に体験する最も激しいショックだったのです。今後、この方たちの社会的な支援も必要になってくると思われます。
 ついでに私事ですが、先週の木曜日12月1日~早朝の羽田発の飛行機の中で急な腹痛と頻回の新鮮な凝血便が出て、4、5日悩まされました。第4病日に私の信頼する、消化器内科の先生を受診しました。結果は、「虚血性腸炎」でした。60歳以上の高齢者の1割の人がなる病気だそうです。「無治療で1週間で治癒します。」という先生のお言葉で安心しました。その言葉通り、第6病日にはお酒が飲めるようになりましたが、でも怖いので飲みませんでした。本日から忘年会が続きます。今日は〝酒初めの日″です。
皆さん健康には、くれぐれも気を付けてください。

2016.12.08 午前11時
桑原医院 桑原正彦


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