小児科・内科 桑原医院

広島市安佐南区の小児科・内科 地域のホームドクター「桑原医院」

医院からのお知らせ

8.20広島八木災害報告(第74報)

2016.08.25
8.20広島八木災害報告(第74報)

 今年は、例年になく、猛暑が続きます。被災地では、草木が流れてしまった後で、日陰もなく、大雨が降ると、そのまま土砂と一緒に水路に溜まります。
 8月4日午後、大雨と共に、被災地八木3丁目の電柱に雷が落ちました。その電柱から配線をしている光ファイバーに、雷が入り、私の自宅のモデム、パソコン、プリンター、がすべて壊れました。今、インターネットのできない生活です。これも、なかなか良いものだと思います。
 71年前の8月6日朝8時15分、広島市の上空に、一発の原爆が炸裂しました。約17万人の死傷者が出たわけですが、その人たちを、治療や看護する医師、看護婦が約300人、広島市内におられました。献身的な努力で被災者のために尽くされましたが、ほぼ間もなくその方たちも原爆症で亡くなりました。それ以降、毎年、8月6日の夕方、市内の平和大通りに設置した「原爆死没者医療従事者の碑」にお参りをしております。今年も、「広島少年合唱団」も参加して、しめやかなお祈りをいたしました。
 8月6日の広島市主催の原爆死没者慰霊祭は、安倍首相、各国の大使も参加されて、例年どおり行われました。いつもこの日は、原爆が投下された日と同じように、暑い暑い日です。外国人も含めて、約30万人の人が集まりました。今年は、オバマ大統領の広島訪問もあって、外国の人が多く目立ちました。
 さて、8月20日、深夜に発生した広島土砂災害は2年を迎えました。関連死を含めて57名の地元の人が亡くなられました。
 8月18日、浄土真宗本願寺派による、広島土砂災害三回忌法要がしめやかに行われました。当日の夜は、私が代表を務めている、「医療と倫理を考える会・広島」の例会において、IPPNW日本支部総長の片岡勝子広大名誉教授の「核戦争防止国際医師会議(IPPNW)と医師の倫理」の講演を市民と一緒に聞きました。オバマ大統領の演説のもと、〝核を持たない勇気をもとう″という世界の医師の希望を実現するために、IPPNWは現在も努力をしております。
 8月20日、2年前の土砂災害当日、八木3丁目の上楽地部落の中にある大国神社に部落関係者12人の死没者の慰霊碑ができました。その法要を、部落の皆さんで行いました。当日の朝10時からは、安佐南区民文化センターで、広島市主催の慰霊祭も行われました。
 予定の防災ダムは、お陰様でかなり工事が進んでおります。梅林小学校は、校長先生の話だと、災害当時777名の児童数でしたが、現在は約660名まで減少したままです。早く、被災者が元の土地や家に帰れるようになればと、念願しています。

2016.08.25 午前10時
桑原医院 桑原正彦


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