小児科・内科 桑原医院

広島市安佐南区の小児科・内科 地域のホームドクター「桑原医院」

医院からのお知らせ

8.20広島八木災害報告(第2報)

2014.9.04
8.20広島八木災害報告(第2報)
桑原医院 院長 桑原正彦

 昨夕から今朝にかけてかなり強い雨と雷が続いています。排水路はまだ掃除できていないので降った雨は道路にあふれています。 
 一昨日から梅林小学校を除くその他の小学校には避難していた人たちがそれぞれの市が斡旋した住居に入ることになり明日から学校が始まります。子どもたちは大変喜んでいます。
 しかし、梅林学区だけは昨夜の強い雨と雷のために一旦避難所(学校)を離れた人たちがまた小学校に戻ってきました。梅林小学校の再開の目途は全くたっておりません。
 一方梅林小学校の保健室を使っての仮設桑原医院診療所は多くのボランティアの医師と看護師に支えられて今も続けられております。
 先週の後半に入って避難所にお出でになる患者さんの疾病と年齢層が変わってきました。特に呼吸器感染と胃腸感染が増えてきました。更に子ども達には心的外傷の疑いのある患者さんが増えてきました。また既に精神病を患っている患者さんが悪化をしています。
 特に、喉を痛めた患者さん、下痢をする患者さん、慣れない長期間の避難のための精神的な疲労、子ども達については「8.20」の時の避難の際の恐怖がときにフラッシュバックするようで心のケアの必要な対象児が次第に増えてきております。連日、田中丈夫先生(広島県小児科医会副会長)に協力いただいてその子たちの相談相手になっていただいております。今後PTSD関連の子ども達が増加するものと思われます。
 昨夕は広島県庁で会議がありました。その際に被災した子ども達の通っている保育所や幼稚園の先生方と子ども達へ対する対策を検討いたしました。東北大震災の経験からすると、今後長期にわたってこれらPTSD関連の子ども達へ対する小児科医や児童精神科医および臨床心理士のみなさんの専門的な、そして定期的な指導が必要であると考えます。
 現在、被災した住宅の瓦礫の片付けは1日60名から100名のボランティアの皆様方の力によって少しずつ元通りになってきておりますが、ボランティアさんでは難しい大きな瓦礫はまだ取り残されたままです。更に梅林小学校の校庭には兵庫県からこられた自衛隊、岡山県警察隊、広島県各地からの消防隊があと2名残った行方不明者の捜索を続けております。しかし72名の死亡者名簿が発表されました。あと2名もお亡くなりになったのかもしれません。
 桑原医院の診療は通常通り続けております。被災して体調を崩した人、捜索のために疲労困憊した人など通常の患者さんに混じってお出でになります。今後もまだしばらくこの状態は続くことでしょう。
 いずれにしても梅林小学校の早期の再開を切望しております。
 末筆になりましたが多くの励ましのお言葉及び高価な救援物資をお送りいただいた皆様方に改めて心からお礼申し上げます。

2014.9.04 午前11時
桑原医院 桑原正彦

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